4大フレンチホラーの1つ。
タイトルの「マーターズ」とは、「殉教」を意味する。
本作の前半は、少女時代に虐待を受けていたリュシーの復讐劇が中心。
虐待の後遺症か、幻覚に悩まされ、自傷行為も行ってきたリュシー。
長年にわたり苦しめてきた虐待者の家を突き止め、ショットガンを携え訪問する。
ここからは容赦ないゴア描写のシークエンス。銃で人は吹っ飛び、大量の血が流れる。
後半は、少女時代からリュシーに寄り添ってきた同年代のアンナが実質的な主人公。
ここで作風もがらりと変わる。
ゴア描写は控えめとなるも、描かれているのは悪趣味な内容ばかり。
前半からは一転、今度は真綿で首を絞められるように、痛々しさが徐々に徐々に伝わってくる。
そして、様々な解釈ができる衝撃のラスト。
ネタバレになるので詳細は控えるものの、エグい、グロい、後味が悪いといった描写の連続は、強烈なインパクトを与える。
また、考察の余地を残すラストは、観客それぞれで受け止め方が異なることだろう。
万人受けはしない。
が、少なくとも観た人に何かしらの爪痕を残すであろう作品。