numahd

(ハル)のnumahdのレビュー・感想・評価

(ハル)(1996年製作の映画)
4.0
当時まだ新しかった、パソコン通信(インターネットではない)でのやりとり。友情や恋愛。
現実とは違う面を書き込んだり、偽ったり、美化したり、かと思えばリアルな心情を吐露したり、それに対する反応を気にしたり。現代のインターネット、SNSとはスピード感と規模などは違うが、根本的な人の反応と行動は変わって無いなと思った。更に遡れば文通とかも同じだったんだろう。
メールの文が表示される部分は基本的に無音でそっけなく(BGMはあったりする)、その感じが実際にパソコンでメールなどを読む感覚に近いなと思う。つまりしっかりと現実とは分けて考えられている。最近ではスマホを操作する人物の横にチャット画面が合成されたりする表現(相手が打っている時のアニメーションまで出たりして)があるが、その真逆と言えると思う。
題材にしている技術は古くなるが、描く根本が「人間」の方を向いていて、普遍的で共感性も高い。故に映画としては古くならない作品。
numahd

numahd