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(ハル)のnuのレビュー・感想・評価

(ハル)(1996年製作の映画)
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台詞は少なめでメールのやりとりや二人の生活の映像を中心に映すため、サイレント映画に近いものがある。音楽も大きな役割を果たしていて、90年代の東京の雰囲気によく合っていた。映画はとてもロマンチックに仕上がっていて、特に二人が画面を越えようとする瞬間が良い味を出している。ネットで築き上げる関係の良さと難しさも巧みに描かれている。日常を共有し合って、知らぬ前にそれがお互いの生活に影響していく様子は微笑ましい。その一方で、相手が返信をしなくなるなどすれば、一瞬で関係が断たれてしまう悲しさがある。時代は感じられるかもしれないが、同時にその後の時代を予期するような新鮮さもある。
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