海猫

じゃりン子チエの海猫のレビュー・感想・評価

じゃりン子チエ(1981年製作の映画)
3.7
最近、原作漫画をある程度読んだので久々に鑑賞。おそらく関西限定だと思うけれど、なぜか大晦日の夕方にTV放映される機会が多かったように思う。TVシリーズの方は日曜日によく再放送やっていた。原作序盤のエピソードを抜き出して上手くまとめてある。テツとチエの親子の掛け合いがまず面白い。八方破れで無茶苦茶な性格のテツを見ているだけで、可笑しみ溢れる。大人以上に世間慣れしてるわりに、時々子供らしい繊細さを見せるチエが可愛らしい。この二人以外にもユーモラスで実在感ある人物が出入りし、飛び交う大阪弁に吹き出す。もともとの原作漫画の内容の良さもあるが、高畑勲の演出が実に素晴らしい。特に原作漫画では金閣寺に出かけるのを、行く先を遊園地にしたのは良改変。アニメーションで作られた人情喜劇として、高いレベルの作品。ただし、全編を人間ドラマで引っ張ってきたのに、終盤は猫が主体の展開になってしまうのはちょっと首を傾げたくなる。猫の決闘エピソードそのものは面白んだけどね。
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