南宮龍八

花嫁はギャングスターの南宮龍八のレビュー・感想・評価

花嫁はギャングスター(2001年製作の映画)
3.0
原題「組暴(組織暴力団)の女房」のタイトル通り、粗野で乱暴な女ヤクザが大暴れするヤクザ・アクション。ヤクザ映画では珍しく本格的な女優主演作である。冒頭、雨中の決闘シーンで炸裂する蹴り技アクションが秀逸で、主役のシン・ウンギョンはハサミ状の特殊ナイフを使うヤクザの女組長を熱演している。アクション指導は香港映画で活躍した武術監督の元振/ウォンジン。シン・ウンギョンと結婚する冴えない公務員パク・サンミョンのとぼけた演技が面白く、シン・ウンギョンを慕う幹部役のシム・ウォンチョルや宿敵「白鮫派」のボス役チャン・セジンなど個性的な俳優陣の演技も見もの。ジャンルとしてはコメディ・アクションだが、ナイフを使った過激なアクションや妊娠中の主人公が思いっきり腹を蹴られて血まみれになるシーンなどがあり、とても腹を抱えて笑える映画ではない。最後は意外なゲスト登場で韓国の劇場ではどよめきが起こったそうだ。2001年度韓国映画興業成績4位の大ヒット作で、後にコメディ色の濃い続編「ザ・ブライド 花嫁はギャングスター2」(2003)、香港から舒淇/スー・チーを主演に招いた韓国・香港合作「花嫁はギャングスター ソウルウェディング」(2006)の2本が作られた。シリーズ1作目の本作はハリウッドでリメイクの話が持ち上っていたがその後どうなったのだろうか?ところで、この映画の日本版DVDに収録されている日本語吹替えは菊川怜がシン・ウンギョン、松方弘樹がチャン・セジンを担当しているが、ちょっとイメージが違うので残念である。この映画に限ってではないが、吹き替え版に話題性を優先してタレントや俳優を使うのは絶対に止めて欲しい。日本版DVDの特典には本編未収録のシーンを撮影中の貴重なメイキングやインタビューなど収録。

07/04/14
南宮龍八

南宮龍八