花鳥さんの記憶

花嫁はギャングスターの花鳥さんの記憶のレビュー・感想・評価

花嫁はギャングスター(2001年製作の映画)
4.2
本来コメディは苦手だけど、この作品は別物。

組のトップ2ともなれば、女を捨てなければやってられない。特に男性優位の国なら尚更だ。
笑顔すら忘れ、いつしか冷淡な仮面が本来の顔のように張り付いているウンジン。

ウンジン。本当は不器用で素朴で純粋な優しい人。

お姉さんと一緒の布団で添い寝しながら、甘える姿は組長の姿のカケラもない無邪気な少女。

スイルに初めてチゲを作る時の笑顔はどこにでもいるごく一般の女性の笑顔。すぐ後に掛かってくる電話の応対の「ヨボセヨ」もなんだか角がなく柔らかい。

そしてウンジンの涙が物語る。
姉が亡くなった時、無防備に溢れて溢れる涙。
パダがやられた時一筋頬に伝わる涙。
夫スイル氏が貝を買いに出ている間に受けた戦争の知らせ。遠目から車の中で帰ってきたスイルを見て黙ってホロリと落ちる涙。

どの涙も“愛溢れる涙”だ

スイル氏は決してイケメンでもマッチョでもなく、こういうのはなんだがダボハゼのような容姿。だがその内に秘める優しさと寛容さはの仏の様。「自分を愛してないのも我慢できる」そんなこと言葉だけでも言える物じゃない!
いつもウンジンを喜ばせようと花束やキャンドル演出とサプライズを用意。
スイルを振った58人の女は見る目がなかったのだろう。

これだけの“優しさと愛”が盛り込まれたヤクザ映画はなかなか出会えないでしょう。
それにちょっぴり笑い🤣もw

※やっぱりナイフ銃で追いかけられるより、裸で来られる方が凄く怖い😱🧦