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暴力をめぐる対話のoのレビュー・感想・評価

暴力をめぐる対話(2020年製作の映画)
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人々の自由と権利、警察による暴力と公権力、政治という権力、合法性と正当性の解釈と実際問題を考える上で示唆に富むドキュメンタリー。
自由と権利を重んじ、カジュアルにデモが行われるフランスであっても、警察という公権力による暴力の姿は、メディアを通じて伝えられるアメリカや香港のそれと酷似していて、非常に悩ましい。
世界的に民主主義の度合いが低下しているのかもしれないと危機感を覚える内容で、なかなかデモが根付かない日本においても、街宣活動中に野次というか抗議の声を上げた人が排除されたいわゆる道警野次問題を考えると、公権力が似たような形で行使されたことは無視できないと思う。
警察が合法性を主張する治安維持のための暴力は正当化しうるのか、一市民の立場から考えると到底受け入れがたくて、必要最低限の受け身的、抑制的な対応が求められると思うけれど、そのような対応がもし可能となるとすれば、政治家が主導して警察の基本的な対応方針を示す必要があるんじゃないか、そんなことを思わされる。
つまり、間接民主主義においては、公権力を誇示しないような政治家を選ぶことが有権者たる市民の意思表示になるわけで、選挙だったり、政治について考えたりするのは大事だよねと再確認。
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