花椒

暴力をめぐる対話の花椒のレビュー・感想・評価

暴力をめぐる対話(2020年製作の映画)
4.5
原題はわからないが、英題の直訳だと暴力の独占
この邦題はイマイチわからない

ユーロスペースでの上映時は間に合わなかったので川越スカラ座にて(既に上映終了)

フランスの社会問題や政治にあまり詳しくないので情報量が多すぎて頭の中で整理ができなかった。再度観る際には購入したパンフレットを熟読してからで臨むべきかと

スマホの誕生によりメディアに頼らず、自己発信で報道が可能になったのは大きな変化なのは確か。
ただ一般市民になりすましたインフルエンサーが政府広報の働きをしたり(日本だとdappi騒動も)、フェイクニュースも然りで、受け取る側のリテラシーを更に問われる事態になっているかと

警察や一部公務員は国家の治安を守る為には暴力をふるってもかまわない、ということに大半の国はなっている。(国民の命や安全を確保する為ではなく)
じゃあ、国民はどう対抗すれば?

それを考えさせられる作品。個人的に今年のドキュメンタリーで上位にくる

あらすじより
〈フランス政府への抗議活動「黄色いベスト運動」に対する武力行使の記録映像から、人間や国家が抱えるジレンマを追究したドキュメンタリー。

2018年に地方都市から瞬く間にフランス全土へ拡がり、政権に抗議を続ける「黄色いベスト運動」。燃料価格や生活費高騰による社会的不平等への怒りが高まるにつれて抗議は激しさを増し、2019年3月16日にはパリで200人以上の参加者が警察に拘束された。ダビッド・デュフレーヌ監督は、警官による暴力行為を市民がSNS上に投稿する「Allo Place Beauvau」をWEB上で管理する中で、多くのデモが抑圧の対象となっていることや、武力鎮圧の増大を目の当たりにする。デュフレーヌ監督は民主主義国家の存続をかけた重要な問題に対し、負傷した市民や警察関係組織、弁護士、社会学者、心理セラピストら24人にデモの記録映像を提示して対話を促し、「正義」と呼ばれる「暴力」の原因と結果について考察していく。〉
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