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ドント・ウォーリー・ダーリンのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前情報入れずに見たので、ハリースタイルズの甘々なラブストーリーが見れるかと思ってたが、徐々におや…?あら…?ミッドサマーの再来?みたいな雲行きになっていく。SFサイコホラー的な感じかと思ったけど、ミッドサマーとは切り口の違う伝統というホラーの話だった。

サイコと戦うと腹を決めた時の若干不敵な笑みを浮かべた顔や、サイコから逃げ惑うときの阿鼻叫喚する表情は、もはやもうフローレンスピューのオハコといえる貫禄すらある。既視感はあるものの、コピーになっているわけではなく、役にハマりすぎているという感じ。

マジョリティな暮らしこそが幸せだと思われていて、それこそがノーマルで正しいと思われている家族像に対するカウンターに思えた。そう思うとその世界を率いるフランクは政府の擬人化に見えてきた。
言葉通り力ずくで押し込められると死ぬか殺すかの一騎打ちになるのも現実で無い話ではない。

「この現実を受け入れたら捨て去れる」というセリフと妻・アリスが窒息するような声で幕を閉じる。極端な揶揄に見えるかもしれないけど、こんな窒息しそうな世の中からは私も全力で逃げたいと思う。

てか作品より何より、押しも押されぬキャストとスタッフなのに、宣伝がほぼされず、ひっそりとフェードアウトしてったのが一番切ない。
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