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ドント・ウォーリー・ダーリンのGijoeGoのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

男社会の幸福感を女性に押し付けそれを甘んじる女性。
しかしそれに違和感を感じ始めたアリス。

隣人の自死や立入禁止区域への疑問、旦那の仕事への疑問と色んな謎が不穏なBGMと共に湧き上がる。

主人公の名前からわかるように非現実のヴァーチャル空間だという事がわかってからそれまでのゆったりしたテンポから俄然スピード感がアップ。

ジワジワとした謎解きスリラーかと思ってたら砂漠でのクラシックカーでカーチェイス。 

男女の愛の価値観の違いがもたらす悲劇。

この世界の創始者のクリス・パイン演ずるフランクも妻の手によって絶命。

あえてこの世界を選んだオリビア・ワイルド演ずるバニー。この名前もアリスの不思議な国のウサギのメタファーか。

それぞれの思惑が悲喜交々で面白い。

男性優位のマッチョイズムの裏でその皺寄せを喰らっている女性からしたらヘドが出る世界を破壊するこの作品が作られたという事はまだまだマッチョイズムの支配下にあるのだと痛感せざるを得ない。

フローレンス・ピューの平穏な旦那とラブラブな表情からの不安定な心情の芝居の振り幅が凄い!
ハリー・スタイルズの優男とヒモ男の二面性のある芝居のギャップがイイ。
クリス・パインのカリスマ性の裏にある不気味な存在感と芝居合戦も見応えあった。

古き良きとされてる50〜60年代のアメリカのニュータウンの住宅地のセットやライフスタイルが優雅で幸せそうに見えるので、自分もまだまだフランクと価値がそんなに変わらないのではと錯覚してしまう。

印象的なモノクロ映像のダンサーによる一糸乱れぬダンスは管理、調和された女性のメタファーか。
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