プリオ

ドント・ウォーリー・ダーリンのプリオのレビュー・感想・評価

4.5
ここまで観客劣位な映画は久しぶりに見たような気がする。

常に「どうゆうこと?」って状態で話が進んでいき、想像の斜め上をいく展開で、ラストは「そういうことか・・・」っと一安心。

なぜ安心したかと言うと、見てる途中で「これ大丈夫か? ちゃんと伏線回収できるのか?」となる程に、謎だらけだったからだ。

まぁ「それは反則だろ?」ってなる人もいるだろうけど、個人的には好きなラストでした。

ただ、少し冷めたのは「ゲットアウト」や「アス」、「ネオンデーモン」を想起させるシーンがちらほらあった所かな。赤い服の人間が襲ってくるとかは、もう「アス」のまんまじゃないかーと思った。そこにオリジナル性があれば、もっと良かったような気がしたかな。

あとは、フローレンスピューの演技がよかった。名前も覚えやすいし、お気に入りの女優になりそうです。





ここからは、ネタバレありです。





結局この映画は
『男の夢に閉じ込められた女たち』
の物語かなって思います。

女は家にいるもの、家事をするもの、夫の帰りを持つもの、性欲を満たすもの、といった勝手な理想を抱き、男が自分の欲望のために女を閉じ込める話。

そして女に問い詰められた時の男の言い訳は
これが幸せだろ?
現実は苦しいから、夢で理想を見ようよ
しんどい世界より、完璧な世界で一緒に暮らそうよ
的なやつだ。

確かにフローレンスピュー演じるアリスは、現実では女医という仕事に疲れ切っている様子だった。

でも、それでも彼女は、仕事が好きだったし、それが彼女の人生だった。

不可思議なシーンがたくさんあるが、それは完璧で理想的な世界でアリスの自我が暴れ出していたのだと分かると、ちょっと見方が変わるなぁ。
プリオ

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