ぴんゆか

ドント・ウォーリー・ダーリンのぴんゆかのレビュー・感想・評価

3.5
Midsommer に続き、Florence pew、まーた巨大な怪しい所から必死に逃げる役です。
ちなみにHarry Styles は撮影時、監督であり、出演もしているOlivia Wildeと交際中で、その後離別時に書いた曲が昨年大ヒットした、”As it was” 。そう考えるとまた趣深い。

端的にいうとこの作品は個人的にヒットだった。
Barbieをも彷彿とさせる(今作の方が先だが)均一でキラキラした街並み、不思議なほど現状に満足しきっている住民、そして噂話に常に花を咲かせる奥様方、誰もが新婚旅行の場所、そこで食事する場所まで一緒という不思議なほど同質的な生活。

その意図があるかは分からないが、言い換えれば少し共産主義的な生活ともいえよう。
しかし画面に映るその世界は、黄金期のアメリカを象徴するようなもので、華やかな格好をした女性達は一日中家事に精を出し、男性陣はスーツにクラシックカーでどこかへ出勤していくのである。

キラキラだった当時に懐古する勢力に、その黄金期は私達女性が自由な意志や人権を捨てて支えてきたものだと訴えているようであり、そしてまた表面的にキラキラで安泰な生活は誰しも思考停止状態で生きることで成り立っているとでも言いたげな皮肉も感じられた。

昨今ネットを賑わせる、弱者男性という言葉がこの映画でもキーワードの一つになっていたように思うが、インターネットの誹謗中傷しかり、それまで弱い立場にいた人たちの立場の向上で、自分達の地位が危うくなると感じ、相手を力で押さえつけようと考える人間はいつの世にもいるのだろう。

冴えなすぎるオタクと陽キャボーイを使い分けられるHarryにはほんとにあっぱれ。
ぴんゆか

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