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世界で戦うフィルムたちのhonobonのレビュー・感想・評価

世界で戦うフィルムたち(2022年製作の映画)
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亀山睦木監督、湯浅典子さんのアフタートーク付きにて鑑賞。

日本のインディ映画製作者がどのようにして世に作品を拡めるか。この先の映画には何が必要か。
自身の映画を映画祭に出品する過程と各映画人の対談で構成されたドキュメンタリー。

そこには作られすぎる映画と予算の見合わない事情が見え隠れする。そして、深田晃司監督の話す「戦ってこなかった」というこれまでも。
普段映画館に行き、映画を見ている人間にしても「なんのこっちゃ」というもので溢れているけれども、映画祭にエントリーする。そこで評価されるその必要性ということがあまりにもナンセンスと思うこともある。
なんで承認欲求が世の中が蔓延しているんだろうね。そうしないといけない世の中なんだろうね。

それが日本で映画が作られすぎている弊害なのか、リサーチやプロデューサーの不在なのか。そもそもの助成制度をはじめとした予算の問題なのか。

"どういう映画が映画祭で評価されるのか"を追うドキュメンタリーだと思っていたら全く違って、ある程度お客さんはいたけれど映画業界に関わっていそうな人も多く。
このドキュメンタリーを一つの波紋として内側だけで整理するだけではなく、アニメ・マンガがあるからと目を瞑っていると多角的な格差はますます広がっていくだけなのかも。

『TAR』でみた光景は、実は日本のエンタテイメントで後戻りできないところにいるのかもしれないと過ってしまった。
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