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胸騒ぎのJIZEのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.7
イタリアでの休暇中に親しくなったオランダ人夫婦の自宅に招待されたデンマーク人夫婦が彼らの歓待に不気味なものを感じ取るさまを描きだす。”解放の物語”。人間関係から生まれるぎこちなさや居心地の悪さ。ブラムハウス総指揮で仕掛けるリメイクでの北欧発の心理ホラー。クリスチャン・タフドルップ監督のほぼ実体験から着想を得る。おもに”旅先で出会って親しくなった一家が実は…”もので、観る側の心理を衒うような装置やひっくり返しが加速的にあった。ちょっとした違和感の積み重ねが”あの時ああしてれば良かった”の底知れぬ不穏感をジワジワと演出し恐怖を誘発している。人間の持つ善意が悪意に変化したとき事態はブラックなホラーに一転する。社会風刺も効いてる。俯瞰的に視野を広めてキャラクターのいる悪夢的世界の”事態”を観るのが、おすすめ。また来月のブラムハウス配給『ナイトスイム(2024年)』の前哨戦としても二ヶ月連続のブラックな題材での連続砲はうれしいに尽きる。
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