murmur616

胸騒ぎのmurmur616のネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 あまりの不快さに「なぜ自分はわざわざこんなストレスを受けに・・・?」という疑問すら浮かびました。特大のイヤな気持ちをお持ち帰りいただこう!という製作陣の気合を感じましたね。
 何気ない場面での不穏な音楽、舌の無い子供、小さな針で刺しまくるような嫌がらせ・・・などなど厭な緊張感が常に漂っていてなんだか体が強張りました。黙って帰ろうとした時の言い合いでの、「嫌だったらその時言ったらいいじゃない?」とか「いや、こっちも悪いとこはあったけども・・・」みたいなところを突いてくるのが厭過ぎでした。現実にもこういう人達いるよね。ここで絆されずに帰っておけば・・・。
 子供達のダンスの場面も最悪でした。普通に胃が痛くなってびっくりしました。
 普通のホラー展開になればちょっと楽になるかな?とか思っていましたが、終盤の展開がまた地獄でした。
 アーベルは用済みとばかりに溺死させられ、アウネスの舌を目の前で切断と、ホラー映画で子供が無事な時代は終わったんだな、としみじみ思いましたね。両親を殺害され、虐待され、最後は殺されたアーベルの境遇を思うと可哀想でなりません。
 全てを諦めパトリック達の指示通り服を脱ぐルイーセとビャン達が悲痛。しかもお互い抱き合いながら雑な投石で殺害されるという・・・。
 普通のホラーと違い殺人鬼が報いを受けることもない、「助からなかった犠牲者」の映画なんだなと絶望しました。"最悪"を表す語彙が足りません。
 救いを見出すなら、オランダに行くと友人達に言っていたし、パトリック達からのハガキも家にあるだろうから今後足はつくんじゃないかな?というくらい。
 でも「すっごいイヤなもの観たな〜」という変な満足感がありました。リメイクされるとのことで、追体験しないといけないのか・・・と今から気が重いです。
murmur616

murmur616