千年女優

胸騒ぎの千年女優のレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.5
イタリアで休暇を楽しむデンマーク人の三人家族で、宿泊先で失語症を患う息子を持つ感じの良いパトリックとカリンのオランダ人夫婦と出会った夫ビュアンと妻ルイーセに娘アウネス。程なくして彼らの住まいに誘われてはるばるオランダの山奥まで訪れた彼らが、積み重なる違和感から相手一家に不信感を抱く様を描いたスリラー映画です。

アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『アフター・ウェディング』に出演するなど映画にテレビと幅広く活躍するデンマーク人俳優のクリスチャン・タフドルップが脚本から手掛けた三作目の長編映画監督作品で、サンダンス映画祭で上映されると批評家から高評価を集めてブラムハウスがリメイク製作を決めるなど話題を集めました。

ミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』を思わせる家族の最悪の休暇を描く心理スリラーで、少しのズレが積み重なって決定的になる様を不穏に描きます。オチは突拍子もなく、多言語を要素として用いながらテーマとしてまで昇華できてないのは些か消化不良ですが、僅かな落ち度が自分を追い込む、真綿で首を締める恐怖のある一作です。
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