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胸騒ぎのnetfilmsのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
2.8
 終わってみれば今年最大の胸糞案件。というか2000年代でもこれ以上の胸糞案件はないのではないかと思う程だった。率直に言って吐き気を催すほど不快な映画で、不快を通り越して有害にも近付きつつある。こんなことを書くとまたクソ映画ファンが劇場にわらわら現れそうで癪だが、今作には不名誉ながら、21世紀の『ファニーゲーム』の称号を与えたい。正に90年代のミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』鑑賞後のような始末の悪い後味の悪さである。これはフリだと思うかもしれないが、戦争を憎み、平和を愛する普通の人々は今作をスルーした方が身の為で、私は絶対にオススメしない。それでも暴力の彼岸が観たい方は勝手に観ればいいじゃんと思うが、観た後に私に映画代金を返せと主張することだけは絶対にやめて欲しい。お前が観るなというから観ないと思う読者が、どうしてそこまで拒絶するのかと問われれば、今作には子供に危害を加える描写があることに尽きる。何度も言うが、加害がチクチク侵食して行く。そう言う手合いが苦手な人は絶対に観るべきではない映画だと断言する。

 実際に私は、今作鑑賞後に夕食を食べようと思ったのだが、胸糞が悪くなって食欲がなくなった。北欧の怖い映画というステレオタイプな比較で、アリ・アスターの『ミッドサマー』再びを思う人々もいるにはいるだろうが、今作は率直に言って通常のホラー映画ではありません。厭なミステリーを略して厭ミスという呼称が数年前に流行ったが、今作の質感はホラーというよりはむしろそちらに近い。地雷を踏むと言う言葉が何やら2024年の世界線では常態化しつつあり、ゲテモノ好きなフォロワーにはむしろ今作の批評は新たな燃料になるのかもしれないが、炎上案件には出を出さないのが身のためだ。細部に一つ言及するとすれば、蟻地獄から抜け出せるはずだった夫婦の胸騒ぎという名の違和感の時点で、どうして気付けなかったという疑問も残る。率直に言って夫婦の判断がバカ過ぎて、真に胸糞の悪い結末に引っ張るためのガバガバな設定だとしても、娘のアウネスを思えば心底腹立たしい。だがそれ自体がお下劣な作家のまな板の上の鯉でしかない。本当に観ない方が良いとフォロワーさん達にはお伝えしたい。
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