YutaTakaue

胸騒ぎのYutaTakaueのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
4.0
ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞。

「イノンセンツ」や「ハッチング-孵化-」など近年ホラージャンルで当たりの多い北欧から産まれた話題のデンマーク・オランダ合作ホラー。
既にアメリカの制作プロダクション「ブラム・ハウス」と主演にジェームズ・マカヴォイを迎えてハリウッドリメイク化が決定しているとのこと。それを聞いてみると、主演のデンマーク家族の夫ビャアン役の「モルテン・ブリアン」がマカヴォイに見た目も雰囲気も激似で思わず笑ってしまった。

これは、絶対に人にはオススメ出来ない凶悪な作品だけど、心理ホラーとしての完成度が突出していて、人の善意をハッキリ断れない日本のお国柄と見事にはまった不条理展開に共感せずにはいられない作品だった。
両家族の微妙な生活スタイルや思考の食い違いで溜まっていくストレスに息苦しさや不安感を感じながら、相手家族の「おもてなし」を断って嫌な空気を作りたくない想いが交錯し、最悪の展開にはまって行く過程には、単なるホラー作品にとどまらない共感性と余韻に浸れるとても完成度の高い作品だった。

ネタバレになるので詳細は伏せますが、ラストの展開はかなりの衝撃と胸糞で締めくくる事になりますが、なぜオランダ人家族はあそこまでして繰り返すのか、その動機が作中では全く見えて来なくてそこはノイズになってしまったかな…(敢えて動機を明かさず、その先の見えない目的に不快感を募らせる狙いだとは思いますが)

因みにですが、シェアハウスとか相部屋・相席などが苦手な方は恐らくこの作品観ると結構トラウマになるのでご注意下さい。
YutaTakaue

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