Godfather

胸騒ぎのGodfatherのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
4.0
「ミッドサマー」「イノセンツ」に続く、北欧が放つ最狂のヒューマンホラー

このキャッチコピーを見てこれは観なければ!と思って劇場にかけつけた。

期待通りの不穏な雰囲気がしっかり漲っており、おお、やっぱ不気味なホラーは北欧に限るな!とテンションがあがる。
とかし途中からはもうそのいや~な空気に耐えられず、一刻も早く劇場を立ち去りたいと思いながら我慢して観ていた。
この劇中の夫婦がずっと感じていたであろうなんともいえぬ違和感や気まずさや不快感を観客も共に味わい続けるからだ。
そういう意味では観客を一体化させる非常にクオリティの高いホラーだと思う。
「ミッドサマー」レベルに観ていて気分が悪くなる傑作だ。後味の悪さも「ミッドサマー」レベルと言っていい。

せめて口直しに(どうやれば助かったのか)を考えてみたい。

そのポイントは、早朝、妻のルイーセが違和感に耐えきれず夫のビャアンを叩き起こし帰ろうとするシーンだろう。
あのままデンマークの自宅まで全力疾走していればすべては無事だった。
ぬいぐるみを置き忘れたと泣く娘を一度はなだめたのに引き返してしまったのが運の尽きだった。
あんなぬいぐるみどうだっていいだろ!

で2つ目のチャンスは、ようやくことの深刻さに気づいた夫のビャアンが今度は妻を叩き起こし2度目の逃亡をはかるシーン。
パトリック夫妻の異常さを知ってるのならもっと必死で走れよと。あんな田舎道ならもっとアクセル全開で走れよ。
追いかけてきたヘッドライトのドライバーが誰なのか、いくらおっとりしたビャアンでもわかるだろと。(今どき黄色いハロゲンのヘッドライトってのもヨーロッパらしい不気味さを醸し出してていいw)
で車がスタックして遠くに見える民家に助けを求めにいくという行動もアホすぎる。車を捨てて森の中を歩けよ。
よりにもよってパトリックに電話で応援を求めたのは妻のルイーセなのか?だとしたらアホすぎる。正常化バイアスってやつか。

とにかくホラー映画の定石通り、主人公たちの危機管理能力の低さにイライラさせられる、王道の作りだ。
二度と観たくはないが、一応傑作だとは思う。
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