D+未加入なのでシリーズは観てないけど、これだけでもIMAXで観といて良かった。
冒頭に簡単なビートルズ史のおさらいとかあるし、誰が観ても分かりやすい作品になっててちゃんとしてた。ルーフトップ・コンサートの前後とかここまで具体的に観たことなかったし、当時の空気感とかも記録されてて面白い。急に変なこと始める凄いアーティストって今でもいるけど（カニエとか）、当時の観衆の正直な反応も良い。今となっては伝説だけど、リアルタイムでは「ビートルズがなんかやってる」くらいにしか受け止められてない。ロンドンの曇り空と吹きさらしの屋上で演奏を始める4人の、あの多幸感。紆余曲折の果て、純粋に音楽を楽しむ4人が記録されている。彼ら一人一人の表情が、おどけた仕草が、演奏する手元が、そのどれをとっても輝いている。屋上、受付、道路の3箇所で撮影された映像素材をスプリットスクリーンで見せる手法も、お巡りの介入からグングン生きてくる。機転を利かして誤魔化す受付嬢が最高。お巡りが屋上来ちゃってからの4人の視線の交差や反骨心の表れ、あともう少しだけ、と演奏を続けようとする様は、これが4人の最後のパフォーマンスと知っている未来人の立場からすれば胸に来るものがある。寂しさをまとった多幸感溢れる音楽記録映画として素晴らしかった。
