コマミー

僕らの世界が交わるまでのコマミーのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.9
【似ているけど、交わらない】



※fans voice様のオンライン試写会にて鑑賞





とても好きなタイプの作品であった。

本作のような物語は決して多くの人に刺さるものではないかもしれないが、"親とぶつかった"り、"ソリが合ってなかった"りしたことがある人には充分ささる物語だと思う。
それに本作は実に"シンプルな作品"で、それでいて"88分"という手軽な時間で楽しめるコメディ作品である。それゆえに共感度も高く、"ジェシー・アイゼンバーグ"の初監督作としては安定した作り・スタートだったのではないかと感じた。

そして"フィン"君の"音楽家"としての一面もしっかりと確認できる作品となっている。フィン君演じる"ジギー"が配信ライブ中などで歌っている曲の多くは、フィン君とマルコム・ブレイクというメンバーの1人が設立した音楽プロジェクトが手がけた曲やアイゼンバーグと作曲家のエミール・モッセリフィンと共同で手がけた曲を採用している。彼が奏でる音色に、酔いしれる事ができるのも本作の魅力だ。

それに、母と子の立場と共に、その間に立たされる父親または夫の立場も所々で描かれていて良かった。2人が"衝突"やお互いを蔑ろにしている中でのロジャーの立場は実に印象的であった。
そして"ラスト"の母と子の表情も印象的なところの一つであった。空回りしすぎて、"自分の事で精一杯"すぎて見えてなかったものの"最終地点"がそこにあったのだと感じた。

プロデューサーの"エマ・ストーン"の助言で採用した"フィルム撮影"が功を奏し、窮屈ながらも温かさも感じられる、なんとも言えない抱擁度を感じ取れた作品だった。
"ジュリアン・ムーア"とフィン・ウルフハードの新旧の俳優の緩やかな演技合戦が見れる作品だし、多くの親子の皆さんに見てもらいたい作品だと感じた。

もう一度言いますが、こうゆう作品大好きです
コマミー

コマミー