はんそく負け

僕らの世界が交わるまでのはんそく負けのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
2.4
思い込んだら周りが見えなくなる母子の物語であるが、マイクロカーの存在が面白い。彼らの見ている世界がいかに狭いかを象徴している。だいたいこのクルマ二人乗りである。父親もいるのに!彼はなにかの表彰式を二人にすっぽかされてキレるのだが、そんなこと観客には一切示唆されないし、そもそも何をしている人なのかも提示されない。息子(フィン・ウルフハード)が帰宅して部屋に入るとその背後からヌーッと現れるシーンは最早幽霊とか殺人犯の類の見せ方で、要するに完全に無視されているのだ。そういえば母(ジュリアン・ムーア)はDV夫から逃れてきた妻/子を保護するシェルターの経営者なのだが、そういう仕事をする上で自然と夫/父という存在を避けるようになってしまったんだろか。まぁ考えすぎだと思う。