でぽんっ

僕らの世界が交わるまでのでぽんっのネタバレレビュー・内容・結末

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

フィン君とA24ということで鑑賞!

(思うように育たなかった)思春期の息子と母親の距離感って激ムズだよね〜って話だけど、息子のバカさよりも母親のイタさの方がキツかったな…。

何事もうすっぺらくて浅い息子と、自分の価値観を誰かに押し付けようとする母親。彼女の無意識に息子を支配下に置いてコントロールしたがるところがキツかった、、、。

世界中どこにでもあるありふれた中流家庭の姿で、家族全員基本的にはフツウで、異常にどこかが欠けていたり悪かったりするわけではない。シェルターに住むDVを受けてたりする家族と対比する感じが主人公家族らのフツウさをより強調してた気がする。側から見ればフツウに幸せな家族。だからこそ劇的なドラマがあるわけでもなくて。でもジワジワ離れていって泥に足が沈んでいくような感じがリアルでヨカッタな。

途中一瞬お父さんが新聞を見て口にする『自殺』の話も、フツウの家族こそ実は目に見えない小さな問題をたくさん抱えていて、それを胸のうちに秘め、破綻していき、生きる気力を失いがちである…っていう警鐘を鳴らす感じがさりげなくて印象に残ってる。戦って生きようとするDV家族よりも戦わないで内に静かに蓄積させていくフツウの家庭の方が、生きる気力は削がれていくのかもしれない。

最後、息子と母親がやっとお互いに歩み寄ったときの音楽が重なる演出は◎
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