とりん

僕らの世界が交わるまでのとりんのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.5
2024年15本目(映画館3本目)

俳優として活躍するジェシー・アイゼンバーグの長編初監督作品。脚本も自信が務めている。大好きな俳優の1人。
彼が俳優以外で制作したものは触れたことはないか、意味はわからないけどなぜか彼らしい雰囲気がした。

観ていて明らかに空回る親子2人のお話で、息子の方はまだ子どもだから気になる女の子に自分がないものを感じて惹かれてすべっていく様は青臭い感じもあるけれど、母親の方はかなり痛々しい。自分の息子が思うように育たなくて、そんな中シェルターに入ってきた心優しき男の子カイルに、自分の理想を重ねてしまう。薦める程度なら良いけど、圧かけまくりの自分が正しい、学がある方が絶対幸せになるような食い掛かりがそれはないなと引いてしまったし、自分はあまりにも受け付けなかった。それでもカイルは嫌な思いはしただろうに、申し訳なさに溢れていて、自分と母の身を案じていた、彼の優しさにはグッとくる。
息子の感じも今ならではな感じがする。
海外のこういう政治的な活動を若い頃からやっているというのは尊敬する。それもちゃんと同調ではなく自分の意見を持って。
政治に興味を示しているように見せて、結局は相手の子やお金、有名・話題になることの方が重視しているように見えてしまって可愛げのある残念な空回り。

母親役はジュリアン・ムーア、久々に彼女の演技見たけどさすがだなぁ。この空回りさや観ていて嫌々しさを感じさせてくれるし、表面には出ないがある意味狂気的な面も。それでもって時折少し温かな面も見せてくれる。
息子役のフィン・ウルフハードは観たことあるなと思ったら「IT」に出てた子だった。「ゴースト・バスターズ」にも出ているが、前者の方が記憶にある。彼の歌声も曲も良かった。
ジェシー・アイゼンバーグは他にも著作物を制作したりしてるので、これからも映画作ったりするのかな。その時はまたしっかりとチェックしたい。もちろん出演作も。
とりん

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