碧

ザ・ホエールの碧のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

エンドロール前、黒バックに白字で映った『THE WHALE』
に、しばらく波の音のみのセンスの良さ。

もともと舞台劇の映画化だそうで、映るのは主人公チャーリーの自宅のみ、と他に5人。

アカデミー賞での受賞スピーチが印象的だったブレンダン・フレイザー
タイトルの意味が凄く気になってたけど、結局のところ鯨の生態と巨漢男チャーリーの生態、そしてフレイザー自身の役者人生の浮き沈み、それら全てが見事にリンクしたからこその受賞だったんだなと勝手に納得してしまった。

ラスト、頑なに病院に行かなかったチャーリーが最後の最後で自宅という名の殻を破り外の光を浴びる。
まさに白鯨のような顔色のチャーリーが自力で立った時のあの表情には痺れた。
本当に苦しんだことがある人の強さが漲っていた。

チャーリーを厳しく支える、亡きパートナーの妹で看護師のリズ役にホン・チャウ
『ザ・メニュー』で好き!と思った女優さん。
この方が今回も唸るぐらい上手い。

『聖書』と『白鯨』に馴染みと知識とのある方なら、映像以上に響くものは多いだろう。
その部分で個人的にはちょっと置いていかれてしまったので、もう1回観ればちょうど良い理解を得られそう。

個人的には、あのピザ屋が絶対に許せない。
碧