ほぼ室内ワンシチュエーションの会話劇。ラストは不覚にも涙が止まりませんでした。
体重270キロを超える過食症の男チャーリー(ブレンダン・フレーザー)は、大学での文章創作のオンライン授業を受け持っている。
そのあまりに太りすぎた身体をオンラインの画面に映すことを憚り、教師であるチャーリーのみ黒画面である。
つまり約10人ほどの画面に映る学生は、チャーリーの顔もその巨躯も知らない。
部屋から外に出ることのみならず、室内を歩くことも、いや立ち上がることさえも命がけのチャーリー。超高血圧。肉によって気道も欲しくなり呼吸も辛い。
彼はリズ(ホン・チャウ)という看護師に食事や健康観察などの面倒を見てもらっている。
チャーリーはほぼ座り続け食べ続け、オンラインで授業を行い、インターネットのアダルトサイトを観て自慰行為をする毎日だ。
チャーリーは、バツイチ。娘エリー(セイディー・シンク)がいる。
しかしエリーが8歳の時にチャーリーは家族を捨てたため今は疎遠だ。
そこにニューライフという宗教団体の宣教師として(というか宗教勧誘)トーマス(タイ・シンプキンス)が現れる。
トーマスはその巨躯に驚きながらも、宗教により救済できるはずと布教する。
彼はラストまでにしばしばこの部屋に現れる。トーマスはチャーリーを救えるか?
チャーリーの娘エリーが現れる。
毎日ピザを(Lサイズ2枚!)届ける宅配ピザの配達人(ダンていったかな)が現れる。
そして別れた妻メアリー(サマンサ・モートン)が現れる。
人が次から次へとこの部屋に現れながら、チャーリーの過去と罪が明らかになっていく。
なぜ妻メアリーと別れたのか。なぜ娘エリーはチャーリーを許せないのか。エリーは今、どんな娘になっているのか。チャーリーの望む娘になっているのか。しかし、彼は罪を抱えている。
罪の重さがこの体重なのである。白鯨なのである。
チャーリーの贖罪と周りの人々の関わり。
そして娘エリーへの深い深い愛情。
そのすべての想いが最後に一気に昇華し、感動のラストを迎える。
そりゃ泣きましたよ。
とても評価が高い作品ですが、その通り。
僕もとても高い評価をさせていただきます。
まあ、とにかく主役のブレンダン・フレイザーの演技がもうすごすぎて圧倒されます。参りました。