KnightsofOdessa

ザ・ホエールのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
2.0
[ある"巨大クジラ"の物語] 40点

2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ダーレン・アロノフスキー長編八作目。メルヴィル『白鯨』に登場する巨大鯨を巨漢になぞらえた映画というとこは題名から分かるので一旦納得したとすれば、エモーションで押さえつけてくるラストは確かに見事な一本締めだったと仕方なく認めるにしても、残りは(8歳の娘がそう書いていたように)退屈極まりない。ゲイ、離婚した妻と邪悪な娘、宗教、過食症という要素は脚本家が喜んで言葉遊びをするような表面的モチーフとしてのみ捉えられていて、それをアロノフスキーが嬉々として露悪的に撮ってる、だけ。ホモフォビアもファットフォビアも垂れ流し。過食嘔吐シーンのあの曲はなんだ、センス無さ過ぎだろ。"メタファーというものを8歳児から学んだので使ってみましたって感じの映画"というレビューに爆笑。反面、ブレンダン・フレイザーは素より、ホン・チャウもセイディー・シンクもサマンサ・モートンも良い。良すぎるくらいに良い。まぁアロノフスキーだもんな、とダメージは軽め。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa