死を目前にして疎遠だった娘との心の距離を縮めようとする父、自分の前から去って行った父への愛と憎しみに揺れる娘。
アパートの一室で展開される心と心の衝突は、岩壁に打ちつけられる波のように激しくそして力強い。それでいて、寄せては返すさざなみのように静かに心を震わせる繊細さもある。
主人公チャーリーがおこなった"人生でたった一度の正しいこと"、それは必ず最愛の娘に届いているとそう信じたくなる。
誰もが思うだろう。
愛する人に幸せでいて欲しいと。
大海原のように深い愛情を感じることができる秀作。
海岸で雄大な海に想いを馳せるチャーリーが描かれたパンフレットの表紙は油絵を思わせる美しさ。
早くも今年イチ素晴らしいパンフレットに出会えた予感、解説も興味深いので懐に余裕があればご購入を強くオススメする。
自分の人生を客観的にみたことはある?
自分の人生の語り手になったことは?
何か悪いことが起こるたび
なぜ僕はあのときああしたんだろうって
人生の推敲を重ねられたらって
いつも思う。
何か素敵なことが起こるたび
なぜ僕はこんなに幸せなんだろうって
自分も誰かを幸せにしたいって
いつも思う。
人を憎んでも一度きりの人生
人を愛しても一度きりの人生
大丈夫。
君はきっと人を愛せる。