どこから書いていいかわからない。
それほどこの作品には奥行きがあり、人間の罪深さ、贖罪、本能、矛盾などなど色んな要素が詰め込まれている。
ダーレン・アーロノフスキー監督が得意とする世界。
ブレンダン・フレイザーの演技はオスカーに輝くだけありやはり素晴らしかった。
そして目がとっても優しくて可愛らしい。
根っから悪い人でないのがよくわかる。
冒頭の自慰シーンはちょっとびっくりでしたけど。
愛する人を失った辛さから過食で272kgの巨体になってしまったチャーリー。
自分の死期が近付いている為、8歳の頃から会っていなかった娘を呼び寄せ本音で話をしようとするシーン。
娘役のセイディー・シンクが信じられないほど攻撃的。
自分を捨てた父のチャーリーを心底憎んでいる。
2人のやり取りが最後以外は見ていてとても辛い。
いつもチャーリーの面倒を見てくれる看護師リズ(ホン・チャウ好きー)も、優しさと諦めが入り混じった感情を上手く表現していた。
少しの出番だったけど、別れた妻役のサマンサ・モートンも毎度ながら素晴らしい演技。
みんなひとつの感情だけでは片付けられないところが奥深い。
チャーリーが動けない為、ずっと同じ室内で行われるワンシチュエーションスタイルなのに全く退屈しない内容。
中でもラストシーンは最高にゾクゾクしたー。
今まで嫌という程、嘘や相手に対して傷つく言葉ばかり投げかけていた娘のエリー。
少しだけ本音を垣間見る瞬間があり、その後エリーが自作のエッセーを朗読するのを聞きながら、チャーリーは·····。
ここが最も好きだしショッキングだった。
なんか上手く感想が書けてませんが、人間の様々な感情を一気に見せられたこの作品。
劇場で鑑賞して良かった。
あとこの物語には欠かせない「白鯨」も勉強せな～。
