私は過食症に片足つっこんだことがあるので、その狂った愚行が凄まじい喪失感からくる孤独によるものだと痛いほど分かって怖くて悲しかった。己のせいで彼を亡くし、家族を顧みなかったという自責が自傷行為に走らせる。でも人は愚かだし、人生を誤るし、大切なはずなものをうっかり手放してしまうこともあるから、どんな人間であれせめて、今際の際くらい贖罪の時間を過ごす権利があると思う。アメリカは驚くほど巨体の人がいるのだとテレビで観て驚いたことがあるが、皆なにかを埋めるため、自分の口をゴミ箱みたいにして放り込んでいるのかもしれない。