藍紺

ザ・ホエールの藍紺のレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.0
妻子を捨て元教え子の男性と恋に落ち好き勝手に生きておいて、いざ自分の死期が迫ってきた途端最後に娘の力になりたいなんて虫が良すぎません?そう思うのだが270キロの巨体を揺らしながら懸命に生きるブレンダン・フレイザーに心を持っていかれる。満たされないまま吐くまで食べ続ける彼を醜いとは思えない。

登場人物全員が傷を負っていながらも、人を助けたい、救いたいと相手のケアをしたい欲求を抱えている。人の役に立ちたいと願うことはプリミティブな欲求なのかな。
信仰ではなく知性に意味を見出しているところが好きだった。現実と虚構の区別が曖昧になるシーンはダーレン・アロノフスキー監督にしか出来ない表現方法でこれやるのズルいなあ。でもとっても美しくって泣きました。
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