なお

ザ・ホエールのなおのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.2
主演ブレンダン・フレイザー。
そのフレイザーが本作にて第95回アカデミー賞主演男優賞を受賞した話題作。

本国アメリカでは2022年12月に封切られているが、我が国では4カ月も遅れての上映開始。
このタイムラグ、何とかならないモンなのかな…

✏️白鯨
率直な感想を言うと、あまり自分には合わない作品だったかな~…という感じでした。

題名の「ザ・ホエール」ってどういう意味なんだろう、と思って鑑賞に臨んだワケですが、なるほどモビィ・ディックこと「白鯨」の原題が「ザ・ホエール」なんですね。

「モビィ・ディック」
この名前は何かで聞いたことがあって、たしか「トムとジェリー」のエピソードの1つにこのクジラの名前が出てきた気がする。

ただ当然自分の「白鯨」に関する前知識はその程度で、「白鯨」のおおまかなストーリーやテーマ性を知っている人、またこの「白鯨」が多分に旧約聖書からの引用が含まれていることから、聖書の内容について造詣が深い人ならまず間違いなく楽しめそう。

体重270キロというとんでもない巨漢のチャーリーが、モビィ・ディックつまり白鯨でもあり、片足を失った航海士・エイハブのメタファー、というかほぼそのまんまな登場人物であることくらいは自分でもわかった。

エイハブは自分の片足を奪ったモビィ・ディックを殺すことに執念を燃やしていた。
チャーリーは自らの死期が近いことを悟っていて、醜い見た目をした自分という名の「白鯨」を殺したい。
ただ死ぬのは簡単だけれど、曲がりなりにも自分を頼ってくれた愛する娘との約束を果たし、父親としての矜持を見せてからこの世を去りたい。

たしかに人間って不思議なもので、大切な人からの何気ない一言を聞くだけで心を入れ替えたり、覚悟を決めることができる。
終盤、たった一言の言葉を口にするよう娘に懇願するチャーリーの姿にはちょっとグッときたところはあった。

そういう点では、前述の「本作を楽しめる人」の要素に「子どもを持つ親」も加わるかも。
あいにく自分は一人身なので、どの要素にもかすりませんでしたが…

☑️まとめ
少し乱暴な物言いをすると、「アカデミー賞向き」な作品かなぁと。

自分は今年公開の作品でいくと、『バビロン』とか『ダンジョンズ&ドラゴンズ』みたいなテンション高めでお祭り騒ぎみたいな作品の方が水が合うようです。

ちなみに、フレイザー演じる体重600ポンド(270キロ)の巨漢・チャーリーの娘エリーを演じたのは『ストレンジャー・シングス』のマックス役で有名となったセイディー・シンク。

彼女の特徴的なそばかす顔(といっても本作は照明的に暗いシーンが多いため判別できる瞬間は限られているが)を見て「おや、もしかして…?」と思っていたらバッチリご本人でした。
もう20歳なんですね。すっかり素敵な大人の女性になってしまって…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★☆☆☆

🎬2023年鑑賞数:44(18)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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