たた

ザ・ホエールのたたのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.8
死期を知った男と放ったらかしにされてた娘の絆がどうこう、ってあらすじと、ずっと日陰者気味だった役者さんの再起っていう状況からして、同じアロノフスキー監督の「レスラー」を連想しますが…。

とにかく主人公を演じたブレンダン・フレイザーがすごい。何あれ。すごい。
ストーリーとか、登場人物の葛藤とか思いとか、何にもうまく説明できないので、とりあえずブレンダンがすごいってことだけ言っておきます。何あれすごい。

ラストシーン、それまで画面を支配してた色合いが劇的に変わる瞬間が印象的で鳥肌もの。
あれは映画ならではだなって思う。
具体的な結末を観客に委ねるのは、やっぱりレスラーを連想させるようでいて…でもちょっとちがう。
ハッピーともバッドともビターとも言えない独特なエンドがしばらく心に残りそうです。

……

今日は、映画館のはしごしちゃったこともあって、ただでさえ近年だだ下がりしてる集中力が、さらに途切れがちでありました。

しかも舞台がほぼひとつの室内っていうワンシチュエーションなので、悪く言えば退屈さが漂いかねない流れで、登場人物の感情の機微を読み取る力が必要な文芸映画については、教養のない僕の知性ではあんまり言えることもないです。

ただまあ、僕の持論は
「外国人の演技力なんてわかるわけないんだから評価しちゃいけない」なんですが(外国語の話し方の抑揚とか、言葉で感情やニュアンスを伝える力とか、その国の言語や文化性が身に染み付いてないとわからんでしょ?って意味)、
僕のそんな浅はかな思いをふっ飛ばしてくれたブレンダン・フレイザーの役作りや表現力には100%脱帽です。すみませんでした。
たた

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