ダイアー教授

ザ・ホエールのダイアー教授のレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.8
題:ハムの人の熱演
製作:年、アメリカ
監督:ダレン・アロノフスキー
脚本:サミュエル・D・ハンター
出演:ブレンダン・フレーザー

見応えのある映画だった!

友人に薦めたところ、「主演はハムナプトラの人ですよね?」と返ってきた。
ブレンダン・フレーザーの代表作って『ハムナプトラ』…
世間ではどこまでいっても“ハムの人なんだな”と苦笑した。

デブが主役の映画は『ナッテイィ・プロフェッサー』『燃えよデブゴン』『モールコップ』とかマジメなやつだと『リチャード・ジュエル』『プレシャス』があるが、
本作はどの“デブもの”とも違った。
ネタバレ無きよう3つにまとめてレビューします。

1.舞台原作
鑑賞後10分もすれば誰もが気付くことだと思うが、原作は舞台だ。
デブは外から出ないので、画面に映るのはリビングだけ。

2.白鯨
メルヴィルの「白鯨」がレイヤーとしてある。
主人公の娘は家族を棄てて“愛人”と駆け落ちした父を恨んでいる。憎んでいる。死ねばいいと思っている。ヤツが死ねば全てが解決すると思っている。
エイハブ船長のように!

しかし「白鯨」を知らなくても本作は楽しめる。
スタバで“何とかラテ”って“デブの素”を啜っている人たちが、スタバの由来を知らないように…

3.ゲイ
主人公は“白ゲイ”である。
肥りすぎて動けない白ゲイを介護するのは彼の元カレの妹。彼女の兄は白ゲイとお付き合いし、自死している。
白ゲイの世話を焼き、病院での治療を薦める一方で、高カロリー食品(デブの素)を与えている。
妹さんが手土産に持ってきたミートボールサンドの巨大なことったらありゃしない。そしてむちゃくちゃ美味そう。
白ゲイにデブの素を与えることは、
妹さんの恩返しであり、且つ復讐でもあったのではないか?

で、カルト宗教の勧誘員と、思春期の娘と、元嫁が現れて…
アパートは修羅場と化すのだった!

これ以上レビューするとネタバレになるので、ここまでにしておきます。
多くの人に観て欲しい映画です。

すげー、オモロい!