ブレンダン・フレイザーにこんなに魅せられる日が来ようとは。ダーレン・アロノフスキーは『レスラー』に続いて"干されたスターの再生請負人"としての地位を確立したといえよう。
数人の登場人物たちが狭いアパートを出入りしながら進む物語は、いかにも舞台劇を原作としているものだが、映画的表現もあり、とりわけラストシーンは鳥肌モノ。特殊メイクを差し引いたとしても、ブレンダン・フレイザーの芝居の吸引力よ。こっちまで心臓が痛くなる。
原罪と救済。正直に生きるということ。
「どんな人であれ、誰かを気にせずにはいられない。人間はすばらしい。」