ザ・ホエールの西木寸のレビュー・感想・評価

傑作！死を悟った肥満症の男が、過去に捨てた娘を救う事で、過ちから救われようとする...
人は過ちと愚かさを抱えて生きている。時には自他の人生を狂わせ、「救い」を求める。
密室での濃度の高い会話劇により、そんな愚かで弱くて優しい人間模様を、心にぶっ刺してくる。

いわずもがなブレンダン・フレイザー含め、役者さんの熱量が凄まじいく、引き込まれる。
何より秀逸なのが、「救い」と言う観点で、「救い」こそ主たる目的のはずの宗教の危うさを捉えつつ、「救い」の本質を明示してるのが、あっぱれ。