今にも雨が降りそうな曇天の空は鉛色でドス黒く寂寞に染まる、美しく鮮やかな緑色の地面を覆い隠す隔たる現実。
何かが始まり何かが変わり何かが終わる、冒頭数秒間の情景が最も印象に残る。
人間は出会った約3秒間で相手の外観だけで直感的に判断する初頭効果で、自ら作り上げた概念を重ね合わせ架空の人間像を瞬間的に創造する。
大抵それは間違った創造物。
救いがたい誤ちだがそもそも人間はそんなに優秀には出来てはいない。
生きていると言うことは何かを求め何かが始まり何かが変わる繰り返しで、過去の出来事に後悔し憂うこともあるが最後は必ず何もかも終わる。
オーニソガラムの花の様に最後の最後は純真無垢なココロで自分は逝きたい。
若干気になるのはあそこまで肉体を誇張させ巨漢にする必要性があるのか不満も残るが、一瞬誰だか分からなかったが年齢を積み重ね味が出てきた擦れた役柄の〝サマンサ・モートン〟は逞しく、最初は〝ホン・チャウ〟に違和感があったが終わってみれは彼女の強さと優しさが良く表現され適役だったと安堵した..★,