こうじ

ザ・ホエールのこうじのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
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監督は「ブラックスワン」のダーレンアロノフスキー。本作はもともと舞台劇。この作品を観劇した監督が映画にしたいと熱望し、映画の脚本には舞台の戯曲を書いたサム・D・ハンターを迎えている。
映画化の実現までに10年かかったとのこと。その理由は主演のチャーリーに適した俳優を見つけられなかったから。そして、ついに見つけたのがブレンダン・フレーザー。彼自身、精神的に大変な時期にこの役と出会ったのも、何か運命的なものを感じる。まさにハマり役。凄まじい演技を圧倒的な説得力をもって見せてくれる。
映画の作りはかなり舞台を意識し、舞台劇の良さを最大限に引き出すよう、ほぼ一幕劇として演出されている。
緊張感のある見事な演出に目が離せない。
深く心に染み入り、突き刺さる物語は、ラストでカタルシスを迎え、鮮やかな美しい景色を見せてくれる。
地味だが見応えのある、心に残る作品だ。
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