てっちゃん

ビリーバーズのてっちゃんのレビュー・感想・評価

ビリーバーズ(2022年製作の映画)
3.8
カルト宗教映画祭りの1本目いきます!

お恥ずかしながら「エロい」という噂を聞いており、エロいのは好きだから劇場へ行かねば!と鼻息むんむんでしたが、忙しすぎて時間がないない!ってなっていたら、当然のように見逃してしまって、「くそう、、」と一芝居打っていたこと数か月、、、すると配信にきたではないか!!ということで、貪り食うように鑑賞開始です。

城定秀夫監督さん作品だぞ。
山本直樹さん原作だぞ。
お前が好きなサ道のイケメン蒸し男こと磯村勇斗さんが出てるぞ。
このために原作を買ったんだぞ。
でも気になるのは、、、
エロいらしいぞ。ということ。

さてそんな気になるビリーバーズ鑑賞です。

まずこれは言っておかなければいけないでしょう。
"エロい"。
極端に抑圧された性欲が閉鎖空間に於いて溜め込まれた性欲が、性欲を排除させようとしているが、、云々、、を述べるより前にくるのは、視覚的にみてエロい!

そりゃ城定監督さんだからってのはあるし、原作もエロいのでそれを臆面もなく、しかもR15で!!表現している。
それでも思うのはAVみたいな消費されるエロではなく、作品が求めている前述した抑圧された性の解放という意味での、人間元来の"素"があるエロ。

特に印象的なのは、フェチシズム溢れる性行為に及ぶまでの、性欲を呼び起こされる部分。
ここがじっくりとねっとりと撮られているので、いざそれが爆発したときの突破力が強烈になる。

主演である北村さん、磯村さん、宇野さんらのまさに身体を張った(脱げばすごいとか、そういった類のものではなく、やり切っているのがすごい!)その爆発を担っているのは間違いことでしょう。

でもそこにギャグ要素を織り交ぜてくるから上手いよなあと思わず唸ってしまう。
リアル飴村行さんの「フレフレぼっちゃん、ナイスボーイの憎いやつ」が飛び出てくるシーンは大好物で2回繰り返した。
エロと欲望の剥き出しっぷりと自己可愛さが一体となる素晴らしい名シーン。

議長さんのスナック菓子を貪り喰う(しかも躊躇しないで食べていたところが痛快)ところにも笑ってしまったし、檄を飛ばしながらの衝撃的シーン、教団の教えに沿ってあたかも新人類として生きる姿も滑稽であったし、最後のどんぱち騒ぎは最早ギャグでしかない。

本作はニコニコ人生センターなるカルト宗教を題材としているけども、実はその宗教的な話はあまり出てこない。
宗教的な要素を活かし、快楽に溺れていく様、それは果たして愛なのか?、宗教に憑りつかれる者、それを自己のために使う者、存在理由を持ちたいだけの者など、あらゆる人間が行き着く先をみせ”よう”とした。

みせ”よう”としたと表現したのは、もっともっとそこを踏み込める題材であったのに、そこには踏み込まなかったのが私的には残念でした。

あと、もっともっと汚れていって欲しいなとも思った。
服とか顔とか髪とか、もっともっと汚れていって欲しかった。

とはいえ、莫大な予算がないと思われるなかで、適材適所のところでお金をつぎ込み(ヘリのとことかね)方とか、まさかのご本人登場(観てから調べて知った)シーンがあったり、城定監督さんだからこその必要なところをパンパン撮っていくスピード感があったりと、十分に楽しめるシーンは盛り沢山だから、安心して観られることは間違いないでしょう。

美乳作品だと教えて頂いたこともあり、そこにも注目していたのですが、紛いもない正真正銘の美乳であり、その美乳は脳内に濃くこびりつき、それがこぼれぬよう必死でくっつける作業を繰り返す今日この頃です。
てっちゃん

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