ビリーバーズのうのネタバレレビュー・内容・結末

孤島で生活する信者3人のエロティックサスペンス。

北村優衣もいいけど宇野祥平が役にめちゃくちゃハマってる。
普段は3人の中でもリーダー的な役割で一際熱心な信者なのに1人でクルーザーに乗り込んだ時に浄化されてない食べ物を一切の迷いなく食べ始めるの人間性が表れてていい。
実際そこからどんどん自分の都合のいいように教えを曲解していくのが醜悪で最高。

現実に起きた事件をおそらくモデルにした展開が2つあるんだけどその2つとも現実で辿った結末とは異なるもので歴史改変的要素もある。
特に最初の人民寺院の集団自殺をオマージュした展開は背景を踏まえて見ると更にヒロインの行動にグッと来る。

現実と夢の境界線が曖昧になっていく終盤も好み。
胡蝶の夢のように夢を見ているときに夢と知覚することはできないし(明晰夢を除いて)この現実ももしかしたら夢なのかもしれない。
結局どれが現実でどれが夢かを判断するのも個人の自由で信じたいものを信じるっていう「信仰」っていうテーマにも繋がってくる。
やや危険な考えにも思えるけど現実だけが全てじゃないという逃避の肯定にもなっている点は賛同できる。