TakedaKatsuya

ビリーバーズのTakedaKatsuyaのネタバレレビュー・内容・結末

ビリーバーズ(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作を先に読んでいたので、かなり忠実に山本直樹作品を映像化していると感じた。
去勢の安定が異分子の介入で壊れていく。限りなく性的になっていくことをやけに明るい世界で描かれており、とても不気味に映った。

無人島でカルトの教義でつながっていた3人が、性的、動物的、そして人間的に繋がる事を思い出し、それによりお互いの暴力性も芽生え、やがて邪魔になった一人を排除する。
性の持つ暴力性は一方で生を賛美し、一方で排除を生む。
そんな人間のしょうもなさを戯画的にそしてエロティックに作られていた。
さて、そんなカルト的去勢と性的な開放の気持ちの悪さは、現実で生きているこの世界の中に違う形で見出すことが出来るのではないか。
教祖たる「先生」役に座る原作者山本直樹。彼を撃ち抜いた銃弾は何を意味するのか。
創世者を殺すことでこの世界は観客のものになったということなのかもしれない。