MasaichiYaguchi

KKKをぶっ飛ばせ!のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

KKKをぶっ飛ばせ!(2020年製作の映画)
3.1
世界で最も数多くの過激なジャンル映画を量産しているイギリスのインディペンデント映画界から誕生した新鋭チャーリー・スティーズ監督の本作は、1970年代に封印された黒人による白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」皆殺し事件をもとに、KKKに復讐する黒人の姉弟の姿を凄惨なバイオレンス描写満載で繰り広げていて、観ていると血飛沫の量に比例するように高揚感が湧いてくる。
1971年のアメリカ・テネシー州を舞台に、無実の罪で投獄されていたブランドンは脱走して姉のアンジェラに助けを求める。
アンジェラは兄のクラレンスとともにブランドンのもとに駆け付け、彼を郊外の廃牧場に匿う。
ところが、その地域は白人至上主義団体「KKK」が活発に活動しており、黒人を捕らえては、悍ましい行為をする一派の拠点になっていて、彼らは虚を衝かれて捕らえられてしまう。
監視の隙をつき、監禁されているアンジェラを救出することに成功したブランドンは、姉とともに復讐を開始する。
内容が過激すぎて出資者集まらず、監督の自己資金で制作した本作は全米で上映中止となり、現段階で日本以外のスクリーンでは見られないという曰く付きの映画。
本作について監督は、「以前から70年代のグラインドハウスやエクスプロイテーションのようなスタイルの映画を撮ってみたいと思っていて、昔のグラインドハウスの予告編からインスピレーションを得ていたんです。」とインタビューで述べているが、或る意味、センセーションなカルトムービーと言えるかもしれない。