イチロヲ

KKKをぶっ飛ばせ!のイチロヲのレビュー・感想・評価

KKKをぶっ飛ばせ!(2020年製作の映画)
4.0
兄姉に庇護されている冤罪脱獄囚の黒人青年が、潜伏先の廃屋で白人至上主義の食人集団に遭遇してしまう。秘密結社KKKの蛮行と食人族の系譜を掛け合わせている、イギリス産のスプラッター・コメディ。

公民権運動が活発化している、1972年のテネシー州が舞台。本作に登場するKKKは、黒人専門の食人族であり、「黒人は白人のための食糧になるべき」という思想をもつ。作風としては、70年代ブラック・エクスプロイテーションへのオマージュが感じられる。

何よりも、「猟奇行為には猟奇行為でお返ししてやろう」の精神で、グッチャグッチャにやってくれるところが嬉しい。腸を引きずり出して無理やり食わせたり、キンタマをもぎ取って無理やり食わせたり、徹底した血まみれゴア描写を魅せてくれる。

ただし、教団のメンバーが典型的な悪人演技をするため、統率されたカルトのキャラ作りとしては不満が残る。そして、スプラッター満点の格闘戦が面白いだけに、銃撃が始まると熱量が下降気味になってしまう傾向もある。だが、総合的には大満足の出来栄え。
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