こんなに顔も名前(偽名とはいえ)もやり口も知れ渡っておきながら、逮捕されてもすぐに釈放され、現在は出所済みということが衝撃だった。
ヨーロッパ周辺を国際的に股にかけており、恐らく警察の管轄範囲が曖昧になっているということが理由だと思うが、そもそも詐欺という犯罪自体、立証が難しいことが多いのかもしれない。
構成としては、被害者女性たちのインタビュー映像と、実際の詐欺師とのトーク履歴やSNSアカウントを紡ぐ形で手口が説明されていく。
コメディタッチで進行していき、かつインタビューに答えている女性たちの情緒が激しいため、再現映像かと思ったが全て本人で驚いた。
実際に被害者が顔出しでの出演を承諾し、当時の写真や会話の文面、音声を提供を受けているという点で、本作はドキュメンタリーとして非常に豊富な資料に恵まれている。
冒頭、とある女性が詐欺師とTinderで出会い、関係性を深め、甘い一時を過ごした後、大金を要求されるようになる経緯が語られる。
と思っていたら、ふいに第2の女性が登場し、全く無関係に登場して似たような話を語り始めたと思ったら、気を抜いたところでその2つの話が交差する瞬間があり、サスペンスのように見入ってしまった。
