自己承認欲求について考えさせられるストーリーでした。
家族や子どもはティンヤの母親の自己承認欲求を満たす手段でしかないのがはっきりとわかります。
その反面ティンヤは、とても控えめな少女で健気な様子が所々に垣間見えるのが胸を締め付けられそうでした。
しかしながら、人間は「承認欲求」の柵から解放されることがないのか…と思いました。
ティンヤの母は、顕著に自己承認欲求が高い人物なのは確認できますが、少し見る角度を変えるとティンヤの父も妻に認められたいがゆえ不倫を黙認しているし、ティンヤの弟も母からプレゼントをもらえないと大騒ぎして母に好かれようとするし、ティンヤも結局母に認めてもらいたいから一生懸命に体操を頑張っていました。
周囲の人に「認めてもらう」ということが人格形成にも深く関わるのがわかる映画でした。
ホラー映画ですが、これはただのホラーではなく人間の心に潜むサイコスリラー的な要素があります。
可愛らしい色合いの映画ですが、内容は薄暗いです。そんなコントラストも楽しめます。