たかすぎ

我らの罪を赦したまえのたかすぎのネタバレレビュー・内容・結末

我らの罪を赦したまえ(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

右ひじから先の無い少年がナチスの追手から死に物狂いで逃げる

逃げて‼️生きて‼️しか祈る事しか出来無い、短編なのに終始重苦しい
大好きな家族にもお別れが出来ないまま、極寒の平野を必死で走らなければならなかった
走れる脚と体力があるだけ幸運だった
生きるために、殺したい訳でもない他者を殺さなければならない
生き抜くために、羽織りたくもないナチスの上着を羽織るしかなかった

そんな時代が長く続いてきて今がある事を、娯楽貪ってばかりの現代人は今一度学ばないといけないね
知ったところで人間はまたすぐに忘れる生き物だから繰り返してしまいがちで困る

1939年に実際に当時のドイツで行われていた殺人行為
病人や障がい者達を大量虐殺して国の負担を減らそうという口減らしの政策
1941年にはヒトラーの口頭命令で表面上この政策は廃止になったんだけど、それ以降もダラダラ殺戮は続いてしまってた悲しき酷い歴史が実在するんだよね
地球は蒼くて美しいけれど、信じられないくらい赤い血も沢山流されてきたんだこの惑星

優生思想的にはその安楽死政策は正論だから施行された訳だけど、やられた側にしたらたまったもんじゃない

今作で初めてT4を知った人には学びのあるいい作品に思うよ🌱
たかすぎ

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