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美しい暦のbluetokyoのレビュー・感想・評価

美しい暦(1963年製作の映画)
2.7
吉永小百合さんものにして学園ものだ。高校生なのか。テレビの学園ものよりも早いのだろうな。内容はあまり変わらないが。とはいえリアルではない。大人が作っているのだから当たり前なのだ。さらに言えば、高校生のころのことを思い出して作っているわけでもない。そんなもの誰が見て喜ぶんだっという趣旨で作られているのだろう。型にはまった安心感はあるが、いまそれを見て面白いかということだ。
キューポラのある街の吉永小百合さんは相当にリアルな感じだったけどな。だからいま見ても面白いわけだ。
リアルに表現するのは難しく、ありがちな型通りの表現は、それほど難しくない、ということでもある。

簡単にあらすじ。
武井先生は美術の先生?で、授業は自由な感じでやたらとうるさい。となりは、化学の村尾先生、いちいち、隣は、くそうるさいわねえ、といつも、怒っている。が、怒っているだけではなく、武井先生のことを気にしているみたい、と生徒の矢島貞子(吉永小百合さん)は気付いていたりする。

ついに二人の先生は口論を始める。村尾先生はがみがみと言い立てるが、武井先生は、そおすか、学級崩壊しているわけじゃないし、のびのびと自由にさせるのが、自分の教育方針なんですよ、と受け流す。

矢島貞子が帰る途中、たまたま、村尾先生と一緒になって、ますます、武井先生のことを気にしていることがわかる。

矢島貞子の家は質屋を営んでいる。客が来たと思ったら、別の男子校の田村邦夫だった。高校生にはおカネは貸せません、と言いつつ、カメラでおカネを貸す。

ある日、ある男子高校から5人の生徒が校長室に抗議にやって来た。なんでも、この高校の先生の一人が、わが校の生徒を侮辱した、ということで、抗議に来たわけである。

こういう事件なので、生徒たちも校長室の外から中を盗み見て、大騒ぎ。矢島貞子も騒ぎに加わって見ていたら、なんと、抗議に来ていた生徒の一人が、田村邦夫だったのだ。

男子高校生の生徒侮辱事件の張本人は朝川先生であるが、いったんは認めて謝罪したものの、授業中に、生徒たちに、自分が本当に侮辱発言をしたのかどうか聞くのだった。朝川先生のご機嫌を取るために、していなかったと答える生徒や、聞いていなかったのでわからない、と答える生徒たち。その中で、貞子ともう一人の生徒だけが、たしかに発言したと答えた。
ここらへんは、朝川先生がねちねちしていて面白かったのであるが。

職員室で、まわりのことが気にならない武井先生が、それはよくないですなあ、などと言って幕引きとなる。面白かったが、映画の主なストーリーではないので打ち切られてしまったのは残念だ。

この事件をきっかけに、両校の交流が始まり、田村の高校の演劇部と貞子のいる高校の演劇部で、合同でロミオとジュリエットをやることになった。コラボ企画ということだ。男女で役を割り振るということかな。

さらに、両校でサイクリング。そのとき、村尾先生が武井先生に結婚を申し込むのかな。サイクリング自体が、そういう暗喩として使っているのかどうかわからないが、そういうことになるのか。

朝川先生+校長+ごますり先生とごますり生徒 vs 矢島貞子+田村邦夫+武井先生と村尾先生、というバトル的な展開だったら面白かったような気もする。
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