もやし

友情にSOSのもやしのレビュー・感想・評価

友情にSOS(2022年製作の映画)
5.0
アマゾンオリジナル。
とってもとっても良かった!

2010年代以前の黒人とは違って現代の黒人にとってのアメリカを描いてる気がする。
ニガーって表現が歴史の授業の題材になってるぐらいだからね。



3人組の大学生の話。親が医者で育ちが良く自分も優れた学力を持つインテリ系黒人。もう一人は勉強もろくにしないヤンキー系黒人。
二人でパーティー一日で一周する記録に挑戦しようというヤンキー系の一方的な提案による計画の始まり。
計画実行の道中でインテリ系が研究している細菌を保存しているラボの冷蔵庫が開いたままだったことを思い出し、どうしても譲れないということで引き返すことに。車の方が早いよねっていうことで、近くのちょっと距離置きたくなるようなダサいゲームオタクの白人の友人の元へ車を借りに。

すると何とそこには酔っ払って意識が朦朧としている白人女性が。

とりあえず真っ先に通報しようとするインテリを全力で止めようとするヤンキー。
この状況を見ろ! これは一発でアウトだぞ! 白人の黒人に対する扱いを知っているのか!?
これぐらいなら大丈夫じゃね?って思う人も多いかと思うけど、服装とかそういう細かい状況がかなり不利に働くみたい。


そうして議論の末、この子を病院まで直接運ぼうということに… もう嫌な予感しかしない…



ってな訳だけどこの映画がどう推移していって最終的にどうなるのかってところはたぶん誰も予想できないと思う。本当に現代ならではというか、そもそも脚本が変化球というか。

もちろん設定からしてシリアスには当然なるけど、何が起こるかわからないハラハラ感、たまに挟まれるユーモアと、やっぱり友情。そして色んな方面から出てくる登場人物達のキャラ立ち。

単なるバッドエンドとは違うこの奇妙なバランスが、とっても魅力的。
結構泣けます。
もやし

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