かさま

雄獅少年/ライオン少年のかさまのネタバレレビュー・内容・結末

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

獅子舞を習い始め目標の地に行くまではとても王道な少年の成長もの、スポ根ものと言う感じで進む。大会に出るぞとなってから、何らかの挫折、障害が立ちはだかり出場が危ぶまれる、というのも王道スポ根もの展開ではあるが、その障害は主人公チュンが現代中国の地方の少年であるということと密接に関わるものとなっている。王道だ~と思っていたところに中国の地方から出てきた少年労働者の日常が描かれ、違うトーンになったかのように感じてしまったが、多分今の中国を語るのには自然なんだろう。そもそも両親も出稼ぎのような形で都会に行き働いていた。ビルに囲まれた屋上の練習シーンは、チュンが親に会う手段として獅子舞を始めた頃から自分が労働者となった今まで、ずっと獅子舞に希望を見ているのだというふうに感じられた。
競技の最後、チュンが何を成したかは描かれるが、チュン自身の反応は画面に描かれていない。奇跡は起こったが、それでも労働の日常に戻るのだろう。
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