やっぱ面白い!!!
題材は反今泉力哉的で撮影も反今泉力哉的だが面白さは今泉力哉的。
笑い声は前作よりは少なめだったけど、つまらなくなったのではなく、クズすぎる主人公にイライラしてるだけなので大丈夫。逆に笑いという形で消費されない、持続的な面白さになったのかも。
40の男の話なんて書くのめちゃめちゃ大変だったと言っていたが、喫茶店で見かけた人をきっかけに筆が進んだそう。そういうきっかけから決まった設定故か、話の筋がシンプルでしっかりしている。ドン、と状況を与えてその中でキャラクターがもがくという、王道の作り。
そしてなんと言っても撮影がめちゃめちゃ良いんですよ。シンメトリーで固定長回しで。それでいて固定ショットがちょっと偏ってるのが非凡で良い。シェーク監督の書くセリフと長回しと演劇出身の役者の3つがマッチしたんだと思う。
クズな男たちと芯の強い女性というのも自分の好きな感覚だった。
舞台挨拶でインティマシーシーンやお互いリスペクトしながらの撮影について少し言及があったが、50代くらい?のプロデューサーの方が「新しい取り組みですね」とおっしゃっていて、やっぱり映像業界はヤバいなと思った。
一点だけ気になったのはクライマックスに入るとこの撮影。固定から突然切り替わる手持ちが浮いてた。まあそこはクライマックスってのもあって勢いで突っ切れてしまったけど。逆に気になるのはそのくらい。
ちなみに本作も前作も、「かつて片想いしてたけど想いを伝えられなかった人と再開する」という展開があって、実は監督もそんな出会いを期待しているのかなぁなんてね。いや誰しも期待してるか!